2.背景を選ぶ。




撮った画像を確認したら、被写体の頭のてっぺんから電柱が生えていた…
ゴチャゴチャした背景の中に埋もれてしまって、思ってたより被写体が目立たない…
なんて経験はありませんか?


写真は一枚の絵です。
被写体だけを目で追うのではなく、ファインダーやウィンドウから見える画像の全体を見ましょう。





(1)写り込みのチェック。
背景にある被写体以外の人物や生き物、物や影などのチェックをしましょう。

<ex.>
頭や体から電柱や道路標識などが突き出ていないか、
他の人物や生き物の体の一部が中途半端に入り込んでいないか、
被写体よりも強烈に目に飛び込んでくるものが周りにないか、
太陽を背に撮影している時、撮影者の影が被写体やフレーム内に被っていないか、など。


一眼レフなら背景をぼかして被写体にのみピントを合わせる、と、いうことができますが、 それが出来ないコンパクトデジタルカメラや携帯電話の付属カメラで撮る場合は、 なるべくゴチャゴチャした背景は避けるのが無難です。



(2)色のチェック。
被写体の持つ色味と、背景や周りにある物の色味との関係次第で、
被写体は際立ちもすれば埋もれもします。

“色”の印象は何よりも人の目に飛び込んでくるものなので特に意識しましょう。
撮りたいテーマをしっかり決めておくと色選びもスムーズになってきますよ。


※背景の色の印象が均一で、被写体の身に着けているものや持ち道具などが反対色や目立つ色であれば、 当然被写体が際立ちますね。



背景のグリーンにリードの赤。




無彩色のアスファルトに鮮やかな三原色。




ウィンドウの黄緑に反対色のオレンジ




地面の茶色に鼻緒のブルー。






※逆に色のコントラストが弱いと被写体がぼやけてしまいがちになりますが、 上手く活かせば背景と溶け合うような印象的な絵を撮ることもできます。




全体をアンバーにすることでノスタルジックな印象に。




ブルーとグリーンで統一して爽やかに。






※背景の一部にアクセント的に色味を入れることで、絵全体を引きしめる効果が出ることもあります。
その場合、色の分量や主役である被写体との位置関係などのバランスが肝になります。
主役より目立つのはNG。あくまでも主役を引き立てるための分量と位置で。


左の作品は雑草の緑が、右の作品はお花の薄紫が、とてもさりげないようですがアクセントになっています。
試しに指でアクセント部分を隠してご覧になってみてください。
これらがあると無いとでは、作品の印象が変わるのがお解かりいただけますでしょうか…?




(3)直線を活かしてみる。
一眼レフのように望遠や広角が使えなくても、
背景にある直線を活かすことで奥行きを感じさせる視覚効果を持たせることができます。

<ex.>
ガードレール、手摺り、直線的な道、遊具、床や壁に規則正しく並ぶタイルや模よう、
シャッターや廊下や木製デッキなどの筋目、etc.etc...